牛肉は多様な部位があり、公益社団法人日本食肉格付協会が定めた「牛部分肉取引規格」によって大きく13種類に分けられます。
焼肉店ではそこからさらに細かく分類されることが多く、レバーやミノ、テールなどのホルモンや副生物を含めると40種以上にもなります。
この記事では上記の13種類の部位「ネック」、「かた」、 「かたロース」、「かたばら」、「ヒレ」、「リブロース」、「サーロイン」、「ともばら」、「うちもも」、「しんたま」、「らんいち」、「そともも」、「すね」の部位の特徴や最適な調理法を詳しくご紹介します。
牛肉 ネック
ネックは名前のとおり牛の首の部分で、脂肪分が少なく赤身が多いのが特徴です。
1頭の牛から5kgほど取れます。
味は濃厚で肉質はやや硬めなので、挽き肉やこま切れに使われることが多いです。煮込み料理にも良く合うお肉です。
牛肉 ネックの特徴
肉質 | 脂肪分が少なく赤身が多く、やや硬め |
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味 | 濃厚 |
調理法 | ミンチやこま切れ、煮込み料理など |
牛肉 かた(ウデ)
かたは牛の肩部分にある部位で、関西ではウデとも呼ばれます。
1頭の牛から11kgほど取れます。
柔らかな赤身と霜降りのバランスがよく、旨味が豊富でジューシーな味わいで、焼肉用や、しゃぶしゃぶ、煮込み料理に使われます。
希少部位のミスジはこの部位から1~2kgほど取ることができます。
牛肉 かたの特徴
肉質 | 赤身と霜降りのバランスがよく柔らか |
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味 | 旨味が豊富 |
調理法 | 焼肉、しゃぶしゃぶ、カレーなどの煮込み料理など |
牛肉 かたロース(クラシタ)
かたロースは、首から肩にかけてのロース部分で関西ではクラシタとも呼ばれます。
サシが入りやすく、旨味が濃いので、焼肉、しゃぶしゃぶ、すき焼きに使われる人気の部位です。
1頭の牛から11kgほど取れます。
一般的によく聞く「ロース」はかたロースから取られます。
また、この部位から取れるハネシタ(ザブトン)と呼ばれる希少部位は、ロース肉の中でも一番きめ細やかな霜降りが入る部位で、とろける食感が特徴です。
牛肉 かたロース(クラシタ)の特徴
肉質 | サシが入りやすく、柔らかな肉質 |
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味 | 旨味が豊富 |
調理法 | 焼肉、しゃぶしゃぶ、すき焼きなど |
牛肉 かたばら(ブリスケ)
かたばらは牛の前足の付け根部分にある胸肉です。ブリスケは、英語の「brisket(ブリスケット)」の略称です。
1頭の牛から15kgほど取れます。
肉質はきめが粗く硬いですが、旨みがあり、質のよいものはサシが入ります。
焼肉、切り落としに最適な部位です。
長時間煮込んでも崩れにくいのでシチュー等の煮込み料理にも適しています。
アメリカではバーベキューの定番部位です。
牛肉 かたばら(ブリスケ)の特徴
肉質 | 硬め |
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味 | 旨味十分 |
調理法 | 焼肉、炒め物、シチューなど |
牛肉 ヒレ(ヘレ)
ヒレはサーロインの内側にある部位で、脂肪が少ないですが、ほとんど使われない筋肉のため、牛肉の部位の中で1番柔らかい部位とされています。
全体の約3~5kgしかとれない貴重な部位で、きめが細かいのでステーキやローストビーフ、焼き肉に最適です。
牛肉 ヒレの特徴
肉質 | 部位の中で一番柔らかい |
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味 | あっさりした味わい |
調理法 | ステーキやローストビーフ、焼肉など |
牛肉 リブロース
リブロースは、背ロースと呼ばれる背側の肉のなかでも、肩寄り部位です。
1頭の牛から11kgほど取れます。
赤身とサシのバランスがとても良く、キメ細やかな霜降りで見た目にも美しく、人気のある部位です。
ロースの中で最も厚みのある部位であることから、ステーキに最適です。
牛肉 リブロースの特徴
肉質 | キメ細やかな赤身とサシで柔らか |
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味 | 旨味が強い |
調理法 | 厚みが取れるので、ステーキに最適 |
牛肉 サーロイン
サーロインステーキとして有名なサーロインは背中のリブロースからモモに続く部位です。
1頭の牛から11kgほど取れます。
キメ細かく柔らかく甘みがあり、ジューシー味わいで、牛肉のなかではヘレと同等に重宝される部位のひとつです。
ステーキが王道ですが、すき焼き、しゃぶしゃぶ、ローストビーフなどにもおすすめです。
牛肉 サーロインの特徴
肉質 | キメ細かく柔らかい肉質 |
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味 | ジューシー味わい |
調理法 | ステーキに最適。すき焼き、しゃぶしゃぶ、ローストビーフなど |
牛肉 ともばら
ともばらはお腹の部分の肉で、脂肪が多い部位です。
焼き肉の定番、カルビと呼ばれる部位です。
赤身と脂身が交互に3層になっているため、三枚肉とも呼ばれます。
1頭の牛から22kgほど取れます。
お腹側と背中側に分割した場合、お腹側を「外バラ」背中側を「中バラ」と呼びます。
霜降りになりやすく、濃厚なコクと旨味があるので、焼肉や煮込みいった料理に適しています。
ゲタ(中落ち)、ササ、カイノミなどの焼き肉屋さんで見かける希少部位は、中バラから取れます。
牛肉 ともばらの特徴
肉質 | 赤身は硬めできめも粗いが、脂肪が適度に噛み合う |
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味 | 濃厚なコクと旨味 |
調理法 | 焼き肉、煮込み料理など |
牛肉 うちもも
うちももは、モモの最も太い部分の内側の部位で、関西ではウチヒラとも呼ばれます。
1頭の牛から11kgほど取れます。
牛肉の中で最も脂肪分が少なく、やや大味ですが、柔らかな赤身肉で、しゃぶしゃぶやローストビーフ、焼肉、ユッケなど、様々な牛肉料理に適しています。
牛肉 うちももの特徴
肉質 | 脂肪分が少なく柔らかな赤身肉 |
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味 | やや大味 |
調理法 | 様々な牛肉料理に使われる |
牛肉 しんたま
しんたまは、内モモより下に位置するモモ肉で、丸い形状をしていることから「芯玉(しんたま)」と呼ばれています。
1頭の牛から10kgほど取れます。
しんたまは、トモサンカク(ヒウチ)、カメノコ、マル、マルシンの4つに分けられます。
脂肪が少なく、きめ細かく柔らかい肉質で、赤身肉らしい旨味と風味が特長です。
ローストビーフ、シチュー、焼き肉に適しています。
牛肉 しんたまの特徴
肉質 | 脂肪分が少なく、適度に噛みごたえのある柔らかな赤身肉 |
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味 | 赤身肉らしい旨味と風味 |
調理法 | ローストビーフ、シチュー、焼き肉など |
牛肉 らんいち(ランプ)
らんいちは、お尻の部位。
1頭の牛から10kgほど取れます。
ステーキや焼き肉で人気の希少部位であるイチボはランイチから2〜4kgほど取れます。
サシはあまり入らないものの、ジューシーで柔らかい赤身肉です。深みのある味わいが特徴です。
ステーキやローストビーフ、焼き肉、ユッケなどに使われます。
牛肉 らんいち(ランプ)の特徴
肉質 | 脂分が少ない柔らかな赤身肉 |
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味 | ジューシーで深みのある味わい |
調理法 | ステーキやローストビーフ、焼き肉、ユッケなど |
牛肉 そともも(ソトヒラ)
そとももは、後ろ股の付け根の外側に位置するお肉で、関西ではソトヒラとも呼ばれます。
シキンボ(まくら)、ナカニク、ハバキの3つの部位に分けられ、1頭の牛から12kgほど取れます。
最も運動量の多い部位のため、全体的に肉のキメは粗く、脂肪は少なめで、肉質もやや硬いですが、しっかりとした旨味があるので、薄くスライスして、炒め物やしゃぶしゃぶに使われています。
そともも(ソトヒラ)の特徴
肉質 | 脂肪が少なく、肉質はやや硬め |
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味 | しっかりとした旨味 |
調理法 | 薄くスライスして炒め物やしゃぶしゃぶに |
牛肉 すね
すねは、そとももに続く後足の「ともズネ」、肩に続く前足の「まえズネ」があり、どちらも筋が多く、脂肪が少ないのが特徴です。
1頭の牛から10kgほど取れます。
よく動いている部位なので筋肉が発達しており肉質は硬めですが、ゼラチン質が多く味は濃厚です。
煮込むことで柔らかくなるので。スープや煮込み料理によく使われるほか、ミンチにしてハンバーグにするのもおすすめです。
牛肉 すねの特徴
肉質 | 脂肪が少なく筋張っていて硬め |
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味 | 濃厚 |
調理法 | 煮込み料理やミンチなど |
牛肉は部位によって風味や食感も様々!
今回は、日本食肉格付協会が定めた「牛部分肉取引規格」により分類される13種類の牛肉部位について説明しました。
その他にも牛の部位にはホルモンや副産物など、まだまだたくさんの部位があるので、また別の記事で紹介していきます。
定番のロース、カルビから、カイノミ、ミスジといった希少部位など、牛肉の味や柔らかさは部位によって様々です。
ご自身の好みの部位を見つけてみてください。
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